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コーヒーの微妙さ

お客さんをお迎えして、あれやこれや話す中で、思い出すことがあった。

それは料理のレシピの話だった。

同じように作るには同じ分量、同じ温度、同じ時間などをキープしないといけない。みそ汁で「2リットルでオタマジャクシ一盛り」というのは確かに一つの基準だが、何グラムとか正確にしないといけない。しかし、大抵の主婦は目分量で作る。そういった話だった。

しかし、分量や温度が同じだったら同じなのか、みたいな話だった。味や栄養価が同じなのか。

コーヒーにもたくさんの項目がある。豆の種類、新鮮さ、焙煎の濃さ、轢いた豆の粒の粗さとか。

 

しかし、こういうことがあった。

自分が一時勤めていたコーヒー店はサイフォンで、割と細かく粉を引いていた。

そして細いへらですべての粉をまんべんなく混ぜた場合にだけ、ちゃんと味が出る。いい加減な混ぜ方、混ぜる1分の間にすべての粉に水が当たらないような混ぜ方では、ちゃんとした味が出ない。薄い黒い液体だが、味がないのだ。
ところが、当時「水を叩く」と言っていたのだが、へらの先を前後左右に卵でも混ぜるように強く動かしてしまうと、舌を刺すような苦みが出る。これはお客様にご提供できない。あくまで、江戸時代の船頭さんが櫓で水をかいて船を進めるように、なめらかに、しかし確実に水が動くようにそのへらを動かさないと味が出ないのだ。そして、そのように出したコーヒーはほかのどこで飲むよりもおいしいコーヒーになった。

別の時には、バイトがたくさんいるドリップの店だった。そこでは、ポットが決められていて、ポットに注ぐお湯の量、数回に分けて落とす落とす時間、落とす高さというったものが、バイトによって差が出ないように細かく決められていた。
それはそれで、そのポットをもって切れないように水を注ぐのはちょっとした技術がいることであり、ちゃんと味が出るコーヒーを入れるのは難しかったが、何か月か働いたバイトさんはうまく入れられるようになっておいしいコーヒーを出した。
ところが、それでもそれぞれの人によってコーヒーの味には個性が出る。コーヒーをちょっと味わってみると「これは女の子が入れた味だ」みたいなことがわかる。それぞれにおいしいけれど、女の子のコーヒーはちょっと酸味があって無難な味がする、みたいなことだ。男性のコーヒーは何かこだわりのようなものがあって、ちょっとした深みみたいなものが感じられたりする。
それはおそらく一定時間でドリップするのではあっても、微妙に高いところから落として湯の勢いで所定の時間内に全湯量をドリップするのか、微妙に低いけれどもお湯を落とす回転数で落とすのか、みたいな、微妙な手の癖がそれを分けるのだと思う。

 

だから、コーヒーはものすごく微妙な飲み物だと思う。

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