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カサレヴサ

ギリシャ語で、古い文法の書き方のことをカサレヴサκαθαρεύουσαと言います。普通に習う現代語はディモティキ(δημοτική)=民衆語と言います。

カサレヴサはコイネーからずっと続いている書き方、文法です。

たとえばデモ隊が警官隊と衝突するようなことを現代語で

エンダシ ένταση

というのですが、カサレヴサでは

エンダシス ἔντασις

といいます。
歴史の時間に昔ならわれたことがあるかもしれない。法隆寺の柱がまっすぐ見えるように中央部分が少し膨らんでいるのが、ギリシャのパルテノン神殿などの建築様式をまねしているということで「エンタシス」=強調という、というあれです。現代語では前のンの音に引きずられて濁るのだけれど、同じ単語です。

もう一つ言うと、属格(英語でいう所有格、「~の」を表す表現がディモティキでは

έντασης エンダシス

なのだけれど、カサレヴサの表現では

ἐντάσεως エンダセオス

となります。語尾の形も古典語のように変化するし、アクセントも後ろに動きます。
カサレヴサのほうがややこしいようにも見えますが、実は古典語を一度習った人には、この形のほうが多分わかりやすい。規則的です。でもニュースなんかで聞くときには全部ディモティキになっています。

今更、文語みたいな言葉を勉強して何がいいの?というわけですが。

 

ただ、最近思うに、日本語の文語体、漢文読み下しなどと比較すると、多分ギリシャ語がカサレヴサに依存している割合は、はるかに大きいのだと思う。

自分はギリシャに行くという目的があって、ディモティキを勉強しました。しかし、一般に学問の世界などでギリシャ語に触れる人は古い文法のギリシャ語に触れることになります。念力のことをサイコキネシスなどといいますが、phychokinesisは、ψυχοκίνησιςであって、ディモティキでいうようにψυχοκίνηση(プシホキニシ)というのは外国人にとってはピンとこないでしょう。

また、法律などは全部カサレヴサで書かれているそうです。ディモティキが公の言語になったのは、第二次大戦後20年ほど経ってからのようです。若いころ教会関係の本を買ったときも、比較的平易な本で、大きな字で書かれているにもかかわらず、書いてある内容はカサレヴサで書いてありました。文学、歴史、法律、思想、あらゆるものがこの古い時代の文書に負うところが多いのだと思う。

そうすると、日本で「ギリシャ語をやりましょう」といったときに、それは古いギリシャ語をすべきなのかどうなのか、ちょっと迷うところです。

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