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カッコよすぎる被害者

先の川崎登戸駅付近で起きたカリタス小学校生徒・関係者の襲撃事件。被害者の情報が何度かテレビで流れた。

一人は小学校6年生の女の子で、チェロを習っていた。そのチェロの先生がテレビでさっそうとバッハの無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードを弾いて、これがその子に最初に教えた曲だという。これ、音楽の好きな人はすぐにわかるでしょ。パヴロ・カザルスが発掘した名曲中の名曲だ。今は受験のためにチェロは休んでいて、もう少ししたらまた再開できそう、というような話だったと思う。

もう一人は外務省の職員でミャンマー語が話せる貴重な人材だった。アウン・サン・スーチー氏が追悼のメッセージを寄せた。

 

もう混ぜっ返さなくてもいいようなものなんですけどね。

テレビなんかでは「何の罪もない」「何の落ち度もない被害者」みたいな言い方をする。そうなのだけれど、なんか、カッコよすぎるんだよなあ。こういう言い方で済みません。ダメですよね、こういう言い方をしちゃ。悲惨な事件でした。わかってるんです。

だけど、誰かが殺傷されて「最初に無伴奏チェロ組曲を習った小学校6年の女の子」「アウン・サン・スーチー女史から追悼のメッセージを寄せられる外務省職員」というのが、もうそれだけで雲の上の存在みたいというのか、共感していいのかどうかためらってしまった。

これは都会なんだし、たまたまチェロだかバイオリンを習っていてミッション系の学校というのは、特別の金持ちでなくてもあり得ることだと自分も知っています。親が子供にかける愛情というものはこういうものですよ。なんとかいい方向に進んでほしいと思う。この子の持っている才能を伸ばしてあげたい。そして多分この子には相当の才能があったのでしょう。
それでも、たとえばチェロにかかっている金というものが相当要っただろうということは想像に難くはない。子どもの場合は身体の成長とともにサイズの違う楽器が要っただろうし、習いに行くのも大変だっただろう。

 

一方で、この犯人の方も、もし義兄達と同様にこの学校に入っていれば、チェロを習っている女の子や外務省の高官のお父さんを持つお子さんと友達になれたかもしれない。
しかし、この人にはそういう可能性は与えられなかった。
もしそれをねたんでいるとしたら、まさに格好の標的だったのではないかとも思える。

 

また、本当に「何の落ち度もない」「何のいわれもない」と言っていいのだろうか。運命的に。そういうことを考えもした。

たとえば、もしこれが英国統治下のインドで起こったとする。英国人の子女が現地のインド人に襲われた。才能豊かな何の落ち度もない子女が、狂ったインド人によって殺された。だが、ちょっと待ってくれ。インドに勝手にやってきて地元の王族に取り入って争いをさせ、植民地にして搾取をし、無実の人々に発砲してきたのはイギリス人の方ではないか?その人はたまたま「特に悪いやつではなかった」かもしれないが、恨まれる筋合いはあったと言えるのではないか。
あるいは、もしアメリカで白人と黒人の間で起きていたら?白人の子供は何も悪いことはしていないというだろう。そいつの10代前のやつがアフリカで人々をだまして、不衛生な船に犯人の祖先を詰め込んで家畜のように売り飛ばしたのではないか。

しかし、今回の事件は日本で起こった。政治的な観点からは、機会は平等に与えられている。願書を出すことが権力や暴力によって握りつぶされるというようなことはない。また民族的な差別意識みたいなものもない。支配関係の恨みつらみなんてものもない。
被害者が一方的に被害に遭ったと言えば、まあその通りなのです。その通りなのだが・・・

 

それにねたみだとかひがみだとか、大して意味がないものだということはわかっている。今回のケースでもカリタスに行っている人が、そうではない人々を侮蔑するというようなことはなかったに違いない。境遇に文句を言っても仕方がないのだ。
でも、それはたとえばカリタスに行く人には、それが無意味だということがわかるともいえる。
結局人々はあなたによくしてくれたんだよ。そうだろ?お父さんもお母さんも先生方もしっかりやってくれたんだ。だが、そうではない人のことも考えて見てくれ。「俺はあそこへは行けなかった・・・」という側には気持ちのわだかまりが残るかもしれない。

 

この犯人のやったことは間違ってるよ。殺さなくてもいいだろ?その子に関係ないじゃないか。だけど、「こちらが悪で、こちらが善」みたいに言ってしまっていいのかどうか。

 

ごめんなさい。なんか、まとまらないですよ。

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