にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ

アナ雪のもやもや感・・・(1)

旅行会社に勤めていたおかげもあって、アナと雪の女王のモデルになる土地も訪問したことがある。

庶民の家は、多分、世界遺産にも登録されているベルゲンのブリッゲンの街並みがモデルになっている。ただ、日本で古い木造建築と言えば木目に柿渋を塗ったような渋い色合いのものを想像するが、ベルゲンのそれはテカテカのペンキ塗装で日本人の感覚からは伝統建築と言っていいのか、ちょっと戸惑う。そこから港の奥に入ると魚市が開かれる広場があり、おそらくアナが「生まれて初めて」を歌いながら踊っている場所はそういう場所を想定しているのだろう。もっともベルゲンは一年のうち300日は雨の降っている場所だ。なかなか晴れ上がった景色は期待できない。

王宮はスターヴ教会と呼ばれる、バイキングの木造技術とキリスト教の交じり合った独特の建物がモデルになっている。フィヨルド観光をしたことがある人なら、そうした細部の忠実な再現が楽しい。

 

アナと雪の女王は大ヒットし社会現象化した。この週末も公開直後の集客が公開直後を上回るほどで衰えを知らない。

逆に、同時上映の様々な映画が押されて興行収入が伸び悩んでおり、このままではゴールデンウィークの相棒劇場版やテルマエロマエ2にも影響があるのではないかというニュースも出ている。

 

何が一体こんなに素晴らしいのだろう。

 

もちろん、歌が素晴らしい。そして歌に込められたテーマが素晴らしい。

しかし、やはりストーリーが単純であるということ、テーマが単純であるということが一つの大きな原因だと思う。

なるほど、相棒みたいな映画は固定ファンがいて、見に行きたいだろうと思う。でも、誰でも見に行きたいか、というとそれは違う。ドンパチ探偵ものが得意でない人もいるだろう。

テルマエもそうだ。子供が見に行けるかというと、ちょっと難しいかもしれない。裸で風呂に入る映画なのだから、小さい子には無理かもしれない。

一方、アナと雪の女王は真実の愛だ。自己の解放だ。誰でも、「あっ、私も・・・」と思える単純さがある。誰も自分を抑圧して型にはめて生きている部分がある。自分らしさを肯定していいのだ、そしてそのトラブルは愛によって解決できるのだ、という単純さがすべての人を引き付けるものになっている。

 

しかし、このアナ雪の愛は兄弟愛である。兄弟愛というコンセプトはディズニーに限らず、今まであまりないのです。

そして、エルサの謎の人格がある。生まれついて手を触ると凍る・・・そんな人はいない。そのことについて何の説明もない。そして、その能力は物語の最後までそのままである。

また、王政に対して肯定していると考えられるメッセージもある。エルサって、大して役に立ってないじゃないか。王位についたけど、結局逃げ出して、国を凍らせてしまった。普通に国民は困るでしょ。しかし、それでもエルサが帰ってくると国民はエルサを女王として迎えた。こういうことは、日本やタイや英国ではなんとなくわからないではないが、アメリカでは普通ではないと思う。

今回アナ雪はハマった。疑問を持ちながらもハマったことはハマった。ハマったが、どうももやもやするのである。

 

色々な民話に触れた時に、その民話のもやもや感にはきっと理由がある。前に書いたことがあるかもしれないが、金のガチョウに出てくるハンスの船、それはもともとの話ではちゃんと冒険に使われるはずの船だった。金のガチョウはそうした話の伏線だけを受け継いだために、そうしたモチーフが出てきたのだ。浦島太郎。竜宮に行って帰って80年で鶴になって、だからなんなのか?違うんだ、これは実はもともとは浦嶋子のラブストーリーだったのだ!物語にはきっと単純な動機・モチーフがあり、もやもや感はそのモチーフがわからないとき、もともとの形から変えられてしまっているときに起こるのである。

 

前の記事では、クリスチャンとして生きていく世界の人間としては、どうもこの「アナと雪の女王」はしっくりこないと言いたかった。

もし誰かが話を書いた時に、その人がキリスト教的な愛を意識しているのなら、ハンスのような人が最後に悪役になることに耐えられないと思うのだ。主よ、自分は困っている人をあなただと思って手を差し伸べたではありませんか!

 

考えてみると、ヨーロッパの昔話の中で、兄弟というものについてステレオタイプな描き方がある。多くの場合三人の兄弟かあるいは姉妹がいて、末っ子が馬鹿にされるが最後に幸せをつかむ、というものだ。三人でなくて二人だったとしても、多くの場合姉が意地悪か愚かで、妹が賢く難事を切り抜ける。継母というような部分を考慮すればシンデレラなどもこうしたパターンだと言える。

なるほど姉が自由になる姿、妹が自分を犠牲にして姉を救おうとする姿が人々の共感を呼んだかもしれないが、ヨーロッパの民話の中にはそうした話はないと思う。

Disneyはこれはアンデルセンの雪の女王に着想を得た、と言っているが、ご存じのとおり雪の女王は全く違う話だ。姉がカイなのか?姉は女王なのか?なぜカイが男なのにエルサは女なのだ?アンデルセンの中にも姉妹の愛情というような話は、私の知っている範囲ではない。人魚姫だって姉妹のなかで姫は兄弟と対立するキャラクターとして描かれている。

 

ではいったい、アナと雪の女王というストーリーはどこから出てきたのか?アナ雪とは一体何なのか?(続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください