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平らな組織

イスラム、プロテスタンティズム、民主主義、40人学級、こうしたものは平らな組織である。基本的に成員の間に上下関係がない。

伝統的なキリスト教はヒエラルキー(聖職位階制度)を持つ組織である。トップに法王や総主教がいて、その下に司教さんとか司祭さんとか、いわば「偉い」人がいる。そして地域ごとに管轄している人がいる。こうした組織に反発する形で1400年ほど前にイスラムができ、500年ほど前にプロテスタントができた。どちらも万民司祭、だれもが同じように一人一人神の前に立つ、という建前を取っている。

また、江戸時代は武士は帯刀を許され、切り捨て御免が認められた社会だった。民主主義はそういう上下関係に対立する社会組織として新しくもたらされた。それでも戦前までは隣組だとか自治組織だとかなんだとかで「偉い人」というのが案外いたわけだが、いまの都会ではそういうこともあまりなくなっていると思う。

 

現代の旗印は、平等、民主主義なので、上下関係のある構造を声高に主張するということはあまり好まれない。実際問題として、いい理想だということを自分も認める。宗教でも政治でも、確かにそういう側面があるし、一人一人が責めを負うのだ、ということはある意味正しい。

 

しかし、実は平らな権力構造というのは、多くの問題を生み出しやすいような気がするのです。

 

1980年代、日本でいじめが問題になった。そして同じころ北欧各国でもいじめが問題になった。北欧各国は大胆な改革を行い、それは目に見える成果を上げた。しかし、日本ではなかなかなくならない。

当時、日本からたくさんの視察団が北欧や各国に出かけた。だが、日本ではなかなか根本的な解決がされなかった。

 

外国の対策というのは、大方このようなものだった。

  • 1学級あたりの人数を少なくする。担任1人が15人以上は見られない。きっと目が届かない生徒が出てくる。
  • 縦割りの関係を作る。1年生から3年生まで一緒にできる授業を作って、縦割りで実施する。
  • 教員以外の相談相手を作る。教員は日本でいうところの文部科学省に属する。教員の上には教育委員会がありその上には文部科学省がある。教員に行っても、行きつく先はどうせ教育委員会、誰に相談しても結果が変わらない。
    そこで、法務省の管轄の人権担当みたいな人を学校に常駐させておく。この人は独自の権力で、教員たちにも「お前たち人権がなってないじゃないか」みたいなことが言えるわけである。
  • 教育委員会をなくすとか、校長の権限を強くするとかを行う。教員も、それぞれが責任ある指導者・特殊技能者ということで、校長や教頭といえども、ほかの教員に対する人事権がない。また予算の権限もない。罰を与えるのは、市役所の中で教育委員さんがお目付をしたときだけなので、飲酒とかスピード違反なら叱られるけれども、子供一人村八分にしていても、ほかの人にわからないというようなことが起こる。
    それをもう少し校長などに権限を与えるのである。

昔の社会では、公立学校は地域を反映しており、通学にあたっては上級生と下級生が一緒に通学するようになっていた。またガキ大将のような、子供のギャング社会が形成され、同学年間での争いに対して上級生が口をはさんだりお目付け役をすることができた。

 

問題は40人というような学級で、先生の目が届かない、という環境を作ってしまうことだ。その平らな環境に割って入るほかの権力が名目上存在しない。特にその40人が同性の場合などはもっと極端になりえる。

そういう場合に、陰湿ないじめが起こる。もしそこで、ある子がいじめグループを作っていたとしても、そこに常に何歳か上の先輩が関与しているとかすれば、そのいじめにはある程度の歯止めがかかる。しかし平らな権力構造ではいびつなことがエスカレートしてしまうのです。

 

イスラムの抱えている問題については、今更いうことはないと思う。イスラム国のような組織が出た時に、教義的に「お前たちは間違っているぞ」と歯止めをかけられる権力がイスラム社会には存在しない。カトリックならIRAのようなテロリストが出たとしても、「暴力的なことはやめようじゃないか」と法王が呼びかければ、それはそれなりの影響力がある。もっともカトリックさんの場合は歴史的に逆のこと、つまり法王が戦争を呼び掛けた例があるわけで、それはそれで問題なのだろうけど。

 

実は、平らな権力構造を前提とした組織のほうが、より強圧的、権威主義的であるように自分には思える。そういう仮定ができるのではないかと思う。

普通に考えたら、そんなことありえないじゃないですか。みんな平等なんでしょ?わたしもあなたも持ってる権限は一緒。自分はこう思う。ああ、君はこう思うんだね?それだけのことでおしまいになりそうな気がする。しかし、現実は違っている。「これこそが絶対正しいのだ」「これに従わないと痛い目に遭うぞ」みたいなことは、平らな権力構造の組織のほうがより起こりやすいように見える。

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